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メトロガイドショパンをめぐる旅 —ポーランド—>vol.3


ショパンをめぐる旅 —ポーランド—
古くから湯治場として親しまれているドゥシニキ・ズドゥルイ
古くから湯治場として親しまれているドゥシニキ・ズドゥルイ

南西ポーランド屈指の温泉保養地クウォツコ地方への旅

1826年の夏、ショパンは結核の療養のためにドゥシニキに滞在しました。当時、バート・ライネルツと呼ばれていたドゥシニキで、チャリティーコンサートを開いたショパンの美談は今でも忘れられることはありません。

クウォツコ地方と鉱泉

クウォツコ地方
クウォツコ地方地図
クウォツコの町並み
この地方には歴史ある鉱泉が多い

ポーランドの南西部、チェコとの国境の近くにドゥシニキ・ズドゥルイDuszniki Zdrójの町はあります。近くのクドヴァ・ズドゥルイKudowa Zdrój、ポラニツァ・ズドゥルイPolanica Zdrójなども温泉リゾートとして有名。Zdrójは「泉」という意味で、どの町にも病気の治療に役立つミネラル分を多量に含んだ湧水を利用した施設があちらこちらに見られます。

日本で温泉といえば、まずは温かいお風呂というイメージがありますが、ポーランドでは日本の温泉よりも水温が低い場合が多く、スパなどの施設では入浴用には加熱して利用していることがほとんどです。温浴ももちろんですが、人気ナンバー1は、やはり鉱水の飲み歩きです。それぞれの鉱水にはさまざまな疾患の治癒を助ける効能があり、訪れる人々はおみやげにもなるカップを片手に水飲み場を巡ります。

クドヴァ・ズドゥルイ
クドヴァ・ズドゥルイ
クドヴァ・ズドゥルイ
クドヴァ・ズドゥルイ

【ドゥシニキへのアクセス】
ヴロツワフからバスで約2時間半。運賃は約20ズウォティ。プラハから列車の場合、Kłodzkoクウォツコで乗り換え、約6時間。

湧水公園 鉱水泉
湧水公園
鉱水泉

1826年8月、ショパンは母と姉ルドヴィカ、妹エミリアとともにヴロツワフWrocław、クウォツコKłodzkoを経由して、ドゥシニキにやってきます。

当時、ドゥシニキではイェジ・モガラ博士の羊乳と乳清に凝乳酵素と野生のハーブ類を加えた薬が呼吸器系の病に効くということで注目を浴びていました。そこで、肺結核を患っていたショパンはその療法で治療を受けることになったのでした。

しかし、結果的には、ドゥシニキの鉱泉も羊乳の新療法もショパンの病には効き目がなく、逆効果であるということが19世紀の後半になってわかりました。そんなことは知るよしもなかったショパン家の人々は、ここの治療がフレデリックの健康の回復につながるという大きな期待を持っていたにちがいありません。かなり癖のある味をした鉱水と乳清から作った濃厚な「薬」をショパンはどんな思いで飲んでいたのでしょうか。



ショパンとドゥシニキの日々
ショパンの湧水(19世紀後半の画像) 丘の上から見たドゥシニキの町
ショパンの湧水(19世紀後半の画像)
丘の上から見たドゥシニキの町

ショパン一家が滞在していたのはジェロナ通り6番地ul.Zielona 6にあったペンションでした。(現在建物は現存していません。)ドゥシニキの朝は早く、6時にはもう湯治客たちが水飲み場に列をなし、朝から三文楽団のメロディーが鳴り響いていました。しかし、ひとたび日が暮れると療養者に十分な休息をということで町全体が静まり返って、夜のエンターテイメントなどはとても考えられない健康的な保養地でした。

こういった日々が続いたおよそ1ヶ月の療養はショパンには退屈でしかたありませんでした。周囲を山に囲まれたドゥシニキでは、山歩きも人気がありましたが、体が弱かったショパンができたのは近くの丘を散歩することぐらい。滞在中に「礼拝堂の丘」Wzgórze Kapliczne(標高511メートル)を何度か歩いています。 この丘の頂上からはドゥシニキの町と周囲の山々のパノラマが楽しめます。きっと、ショパンも緑あふれるドゥシニキを感慨深く見下ろしていたことでしょう。



ドゥシニキ国際ショパン音楽祭

ショパンの滞在を記念して、ドゥシニキの町では国際ショパン音楽祭が毎年8月に開催されています。この音楽祭は、ショパン関連の音楽祭としては世界最大のもので、今年は64回目になります。この音楽祭には世界各国から、一流ピアニストが招かれますが、近年では2005年のショパンコンクール優勝者ラファウ・ブレハッチも演奏を披露しています。

ドゥシニキ国際ショパン音楽祭を語るとき、ショパンのある美談を忘れることはできません。 ショパンの滞在中に、町の仕立て屋が急死しました。彼の4人の遺児が孤児になってしまうことを知ったショパンはひどく心を痛めたそうです。そこで、その子たちのために、募金を呼びかけてチャリティー演奏会を開いたのでした。演奏会は大好評で同日に2回開催されたとか。ショパンが実際に演奏を行ったショパン館は現在も同じ場所にあり、音楽祭の期間中はリサイタルの会場になります。

今年の夏は、さわやかなドゥシニキで、ショパンに思いを馳せながら名曲を楽しんでみませんか? 現地では、チケットが手に入らないことが多いですが、チケットの手配は事前に予約をすれば心配ありません。

ショパン記念碑 湧水公園のショパン館
ショパン記念碑
湧水公園のショパン館


2009年ドゥシニキ国際ショパン音楽祭プログラム

8/7 20:00 オープニング 演奏Cyprien KATSARIS
8/8 16:00 全国ピアノコンクール優勝者演奏会 演奏Aleksandra SWIGUT、 Julia KOCIUBAN
  20:00 聖ペテロ・聖パウロ教会 「レクイエム」 W.A.モーツァルト
8/9 16:00 2009年度ダブリン国際ピアノコンクール優勝者の演奏会、20:00 演奏Mariya KIM
8/10 16:00 演奏Khatia BUNIATISHVILI、20時 演奏Jan Krzysztof BROJA
8/11 16:00 若手演奏家たちのリサイタル 演奏Piotr ROZANSKI-K.WASIK/ K.NADOLSKA
  20:00 演奏Nikolai LUGANSKI
8/12 16:00 2008年度サンタンデール国際音楽祭優勝者 演奏Jue WANG
  19:00 マスタークラス参加者による演奏会、 22:00ノクターン(夜想曲)の夕べ
8/13 16:00 「メンデルスゾーン」Prima Vista四重奏団&Wilanłów四重奏団、
  20:00 演奏Dong-Hyek LIM
8/14 16:00 演奏Claire HUANGCI、20時 演奏Aleksander GAVRYLYUK
8/15 16:00 2009年度ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝者の演奏会
  20:00 演奏Boris BEREZOVSKY

(注意)上記プログラムの時間、および出演者は変更になる可能性があります。


【入場料】
○全日券625 zł
8/7、15 20:00 50 zł
8/8、14 20:00 35 zł
8/8~15 16:00 35 zł
全日券の受付はすでに2009年1月2日より始まっています。また、そのほかの入場券は4月2日から販売になります。予約にはチケットの料金の半額の払い込みと書面(郵便)での申し込みが必要です。
【振込先】 銀行名: BZ WBK S.A. 支店名: I oddzial w Klodzku 口座番号: 69 1090 2327 0000 0005 9410 0000 入金確認後、主催者から予約確認書が発送されます。先着順ですので、売り切れ次第受付終了となります。予約状況はhttp://www.chopin.festival.plで確認できます。


市内のほかの見どころ

製紙博物館
製紙博物館 
Muzeum Papiernictwa www.muzpap.pl
57-340 Duszniki Zdrój, ul. Kłodzka 42
ドゥシニキでは20世紀はじめまで手すきで紙を作っていました。ショパンもここの紙を使って手紙を書いています。
製紙博物館

聖ペテロ・パウロ教会
KOŚCIÓŁ PARAFIALNY PW. ŚŚ. PIOTRA I PAWŁA
57-340 Duszniki Zdrój, ul. Kłodzka 15
1324年に歴史をさかのぼることができるこの教会には、鯨が口を開いた形をした珍 しい説教台があります。

聖ペテロ・パウロ教会
聖ペテロ・パウロ教会


おとなりのクドヴァ・ズドゥルイに足をのばせば

だれでもびっくりする礼拝堂があるのです。外見はごく普通の礼拝堂ですが、内部には1618年から48年まで続いた30年戦争や1756年に起きた7年戦争、また18世紀にコレラなどの疫病で亡くなった人々の3000個の頭蓋骨などが壁や天井にぎっしり。さらに床下は2万から3万人分の遺骨が納められています。

この礼拝堂(Kaplica Czaszek)はチェコ人のヴァツワフ・トマシェク神父によって1776年に建てられました。神父は1784年まで8年の歳月をかけて犠牲者の骨を集めて消毒を行い、納骨しました。多くの民間人や戦場で散った敵味方の軍人らがいっしょに葬られている納骨堂は、人生がいかにはかないものかを教えてくれます。毎年8月14日、15日にはこの納骨堂に納められている人々と不治の病や不慮の事故によって亡くなった人々のためにミサがとりおこなわれています。

 カプリツァ・チャシェック(骸骨礼拝堂)  カプリツァ・チャシェック 内部
 カプリツァ・チャシェック(骸骨礼拝堂)
 カプリツァ・チャシェック 内部
 カプリツァ・チャシェック(骸骨礼拝堂)
 カプリツァ・チャシェック(骸骨礼拝堂)

【見学時間】
Kaplica Czasek 57-350 Kudowa Zdrój-Czermna, ul. Stanisława Moniuszki 8
夏季シーズン中は毎日(月曜日を除く)9時30分から17時30分(昼休み13時から14時)まで。またそれ以外は10時から16時まで(昼休み13時から14時)。

2009年4月、桜美林大学アカデミー(新宿)で特別講座 ポーランドをまるごと楽しむ「旅」入門開講!
くわしくはこちらで!
http://www7.obirin.ac.jp/academy/koza/S09003.html

ポーランド政府観光局
〒160-0023 東京都新宿区西新宿 3丁目4番4号 京王西新宿南ビル 7階
TEL : 03-5908-3808  FAX : 03-5908-3809
Website: www.poland.travel

受付時間 月~金曜日:11:00~13:00 14:00〜17:00
土・日・祝祭日・12/25、26年末年始はお休みです

Keio Nishi Shinjuku South Bldg 7F.,
3-4-4 Nishi Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan 160-0023


世界遺産を訪ねる旅 —ポーランド—
 

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