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メトロガイドショパンをめぐる旅 —ポーランド—>vol.4


ショパンをめぐる旅 —ポーランド—
古くから湯治場として親しまれているドゥシニキ・ズドゥルイ
平原が続くポーランドの中北部

第4回目は、
さわやかな初夏のポーランド中北部シャファルニアSzafarniaへの旅。
ショパンが愛したポーランドの素朴な田舎をに出かけてみましょう。

シャファルニアはワルシャワから北東に約140km、古城と中世騎士武術大会で知られるゴルプ=ドブジンや世界遺産トルンの近くにあります。

ゴルプ=ドブジンの町
ポーランド中北部シャファルニアSzafarnia地図
ゴルプ=ドブジンの町
トルンからシャファルニアは約40km

ショパンは1824年と25年の夏を親友ドミニク・ジェヴァノフスキの実家があったこの地で過ごしています。シャファルニアの周辺には、坦々とした平野がひろがり、ゆるやかな起伏を見せる丘がアクセントのポーランドらしい田園風景が広がります。心地よい静けさのなか、さらさらと風にそよぐ柳の向こうからは軽やかなマズルカのメロディーが聞こえてきそうです。

風に揺れる柳 夏の青空と田舎道
風に揺れる柳
夏の青空と田舎道

ショパンはその豊かな自然のなかで、ポーランドのフォルクロアの真髄に出会い、伸びやかで、生き生きとした表情をたたえる人々の素朴な生活からインスピレーションを得て、4曲のマズルカを作曲しました。このシャファルニアの体験が、その後もショパンの創作に大きな影響を与えたことはいうまでもありません。

ワルシャワにいる両親にショパンが送った手紙には「クリエル・シャファルスキ(シャファルニア通信)」Kuryer Szafarskiという一風換わったタイトルがつけられています。これは、その頃ワルシャワで発行されていたKuryer Warszawski「クリエル・ヴァルシャフスキ」紙をまねたもの。当時の出版物は厳しい検閲を受けていたのですが、「クリエル・シャファルスキ」にも検閲官L.Dがしっかりと登場しています。この検閲官というのは、あまり面倒見がよさに時々ショパンが苦笑していたドミニクの伯母ルドヴィカ・ジェヴァノフスカのことです。

ショパンの機知に富んだユーモアがあちらこちらに感じられる「シャファルニア通信」の複製がシャファルニア・ショパン館に展示されています。


ショパンの手紙「クリエル・シャファルスキ」
ショパンの手紙「クリエル・シャファルスキ」

ショパンが滞在したジェヴァノフスキ邸は後に所有者が変わり、1910年に取り壊されました。その近くに新築された建物は、戦後は小学校として利用されていましたが、その一角にショパンを記念して展示室が設置されていました。火事に見舞われ休館を余儀なくされたこともありましたが、1988年に正式にシャファルニア・ショパン館としてオープンしました。現在は、コンサートホールや宿泊施設を備え、ジェラゾヴァ・ヴォラに次ぐ国内2番目のショパン館として常設展やコンサートが開催されています。


シャファルニア・ショパン館 ショパン館のコンサートホール
シャファルニア・ショパン館
ショパン館のコンサートホール
【シャファルニアへのアクセス】
ゴルプ・ドブジンGolub-Dobrzyńから東へ7km。(バスで約10分)
トルンからは36キロ。バスで1時間15分程度。
バスの時刻表はこちらから。http://www.e-podroznik.pl/

【シャファルニア・ショパン館】
Ośrodek Chopinowski w Szafarni
ホームページ: http://www.szafarnia.art.pl
E-mail:osrodek@szafarnia.art.pl
開館時間 月曜日を除く8:00 - 16:00、土曜日、日曜日 12:00 - 16:00
月曜日の入館は事前に予約のある団体のみ可能です。
入館料 大人5 zł 小人・学生4 zł 、ガイド20 zł(1団体)

ショパンはシャファルニアから近隣の村や町に出かけていますが、今回はゴルプ=ドブジンと世界遺産に登録されているトルンをご紹介しましょう。


古城が物語る歴史の町 ゴルプ=ドブジン

ゴルプ=ドブジンは、プロシア・オーストリア・ロシアによる三国分割の時代にはプロイセン側のゴルプ、ロシア側のドブジンに分かれ、国境線となっていたドゥルヴェンツァ川をはさんで向かい合う二つの町だったのです。

ゴルプ城
ゴルプ城

1824年、ショパンはドゥルヴェンツァ河畔の小高い丘にそびえる城を訪れています。 ドイツの騎士団がゴルプ城を建てたのは13世紀末から14世紀にかけてのことでした。この城はチュートン騎士団とポーランド軍が何度にもわたって争奪戦を繰り返した戦場としても有名です。1466年から17世紀半ばにゴルプはトルンのライバル的な商業都市として栄え、またゴルプ城はポーランド国王ジグムント3世の妹姫アンナ・ヴァーザ(1568-1625)の保護を受けるようになりました。  

アンナ姫は通りの掃除を義務付けるなどして町の美観に気を配る一方、自然科学への深い関心から城の近くに植物園を作り、ポーランド国内初のたばこ栽培を行いました。ゴルプはその歴史の中でもっとも華やかな黄金時代をむかえました。

スウェーデンとの戦争で、廃墟となったゴルプ城は、第1次ポーランド分割でプロイセン領になりました。ポーランドへの回帰を望む人々の願いをかなえたのはナポレオン・ボナパルト。フランス軍によって開放され、一時は希望に満ち溢れていた町は、ナポレオンの失脚後のウィーン会議で、再び国境の向こう側に置かれる運命になったのでした。国境という地の利から、その後のゴルプはプロイセンからロシアへの密輸や闇取引で豊かになったこともありますが、ロシア政府の厳しい取り締まりが始まると途端に零落の一途をたどりました。

ショパンがゴルプの歴史を詳しく知っていたのかどうかは定かではありませんが、少なくともこの城の最後の城主がスカルベク家であったこととルネサンス様式の増築部分がアンナ・ヴァーザの命によるものであることは当然知っていたにちがいありません。


ゴルプ城の中世騎士武術大会
ゴルプ=ドブジンの町
ゴルプ城の中世騎士武術大会
ゴルプ=ドブジンの町

1951年、ゴルプとドブジンが合併して町の名称はゴルプ=ドブジンとなりました。ヘウムノ丘陵とドゥルヴェンツァ川の自然に恵まれた歴史の町は、トルンからマズーリ湖水地方へのルート上にあり、新たな観光スポットとして注目を浴びています。


【ゴルプ城】
Zamek w Golubiu-Dobrzyniu
開館時間 9:00 - 20:00
Muzeum Regionalne PTTK
所在地 87-400 Golub-Dobrzyń, ul. PTTK tel. (056) 683 24 55

【そのほかの見どころ】
聖カタジナ教会(14世紀)、広場にある木造の住宅(18世紀)、プロテスタント教会(1909年築)、堡塁(14世紀前半)

【ゴルプ=ドブジンへのアクセス】
トルンから北東に40キロ。バスで約1時間です。
バスの時刻表はこちらから。http://www.e-podroznik.pl/


コペルニクスが歩いた石畳をふんで―トルン
中世都市トルンの夜景
中世都市トルンの夜景

1825年、2度目の滞在中にショパンはトルンにも足を伸ばしています。トルンは、中世都市トルンとして世界遺産に登録されています。町の歴史は1233年までさかのぼることができ、ポーランドの国内でも飛びぬけて美しく、ここでしか見られない建築を誇る都市、大天文学者コペルニクスの生誕の地、として知られています。ポーランド北部でチュートン騎士団が勢力を強めていった時代、1280年にハンザ同盟に加盟し、バルト海への重要な水上交通路であったヴィスワ川に面した地の利によって、ヨーロッパの交易の中継地として黄金時代を迎えます。


星の家(東洋博物館)
斜塔
チュートン騎士団の城址
星の家(東洋博物館)
斜塔
チュートン騎士団の城址

町を歩くと、レンガの赤色がひと際目立つチュートン騎士団の城址が見えてきます。 かつてこのドイツの騎士団はポーランドの北部を制覇した一大勢力として、この地域の利権を握っていました。しかし、1454年それに不満をつのらせたトルン市民は蜂起し、騎士団の城を破壊したのです。そうやってポーランド王国へ帰属したトルンはその後いっそう繁栄したのでした。 黄金時代に建てられた建造物は現在もよい状態で保存されていて、世界のゴシック建築指折りの傑作に数えられています。ショパンが歩いたトルンもきっと今とほとんど変わらなかったことでしょう。


中世の歴史の重みを感じる町並み 街角でみつけたユーモラスな騎士の壁画
中世の歴史の重みを感じる町並み
街角でみつけたユーモラスな騎士の壁画

中世の歴史の重みを感じる町並み

トルンを語るとき、地動説を唱えた天文学者コペルニクス(1473 - 1543)を忘れることはできません。ショパンはもちろんコペルニクスの生家を訪れています。1825年8月、親友ヤン・マトゥシンスキに宛てた手紙には、大天文学者の生家を見学したのだと深い感動が綴られています。しかし、ショパンがコペルニクスの生家と信じていた建物は、現在の生家とは異なった場所にありました。1874年までは現在コペルニクス博物館がある通りの40番地が「生家」とされていたからです。

トルンといえば、建築や歴史だけではなく名物ピェルニクもお忘れなく!甘さの中にナツメグやシナモンなどの風味が織り込まれた焼き菓子です。ショパンも食べたこのお菓子。今もなお頑固に中世絵の伝統的な製法を守って作られています。

コペルニクスの生家
トルンの名菓ピェルニクの店 伝統の味を今に伝えるピェルニク
トルンの名菓ピェルニクの店
伝統の味を今に伝えるピェルニク


アクセスとみどころ

【旧市庁舎博物館】
月曜日を除く10:00 - 16:00 (5月から10月は18時まで)
所在地 Rynek Staromiejski 入場料 大人10 zł 子供、学生6 zł

【コペルニクス博物館】
月曜日を除く10:00 - 16:00 所在地 ul. Kopernika 15/17 入場料 大人10 zł 小人・学生7 zł

【その他の見どころ】
アルトゥス館、東洋博物館(星の館)、ジェグラルスカ門、モストヴァ門、穀物倉庫、
聖ヨハネ教会

【トルンへのアクセス】
ワルシャワ中央駅から直行列車が1日7便
くわしくはメトロガイド.jp「世界遺産をたずねる旅-ポーランドvol.4」
http://www.metroguide.jp/poland/vol-4.html)もごらんください。

来月は、南部ポーランドを中心にご紹介します。

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ポーランド政府観光局
〒160-0023 東京都新宿区西新宿 3丁目4番4号 京王西新宿南ビル 7階
TEL : 03-5908-3808  FAX : 03-5908-3809
Website: www.poland.travel

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3-4-4 Nishi Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo, Japan 160-0023


世界遺産を訪ねる旅 —ポーランド—
 

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