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メトロガイド>サヘル・ローズのコトダマ日詩 vol.48


サヘル・ローズのコトダマ日詩

今日という残像。


ここにいても、いない。
いないのに、そこにいる。


残像がすきです。
呼吸の痕跡という存在。
誰しもが生きていて、
けれども、
どこかで存在をも消したくなる。


人が大変なのは、
痕跡を完全には消し去れないものだから。
他の人の記憶や映像、音声、写真にも
すべて被写体として存在した時から得られる勲章。


もしかしたら こんな勲章など欲しくなかったと思う時もある。
誰しもが一度は『つかれた』と思うときが訪れる。
私にもあった、いや、未だにふと、ある。


けれども残像を感じてからはこう思う。


自分の残像を生涯、
どれほど残せるのだろうかと。



公園にいったり、お寺や商店
小さな小道に裏路地
廃墟の建物の前や古民家
美術館に写真展
本にCD


カフェにも
小さな信号機のある横断歩道でも


そこにはいない、けどいる。


そう、つい3分前に歩いてたひと
カフェの椅子にも座っていたぬくもり


ページをめくっていた指
古民家のきしむ音にも歩いた残像音。


人はいきる芸術。
誰しもがアートのような魂。
他人が作るアートではなく自分自身で
作り上げる自分アート。


その過程が穏やかなひと
苦しくて疲れるひと


どちらも美しく
どちらも神秘的



残像とは人生の地図。
ね、みてごらん。
なんにもないと思っている場所ですら
そこには生きる魂がいる。


こわいものではなくて
あたたかな感情を残像からみつけて欲しい。


壁の傷
ソファーのシミ


ヒビやくもったガラスにも。


すべて、いきてる。



サヘル・ローズ ─Profile─
1985年、ペルシャ(イラン)生まれ。8歳の時に養母と共に来日。
育ててくれた母に恩返しをする為、将来オスカー像をとれる役者になるのが夢。
現在、「探検バクモン」(NHK総合) 進行役、「ノンストップ!」(フジテレビ)いいものプレミアムのコーナーなどに出演中。

最新情報はコチラ → http://excelling.co.jp/
サヘル Twitter → https://twitter.com/21Sahel

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